皮膚筋炎・多発性筋炎とは その1
皮膚筋炎・多発性筋炎は当初筋肉(骨格筋)だけが障害される疾患と考えられていましたが、肺、心臓、関節、消化管、などの他の臓器障害も合併することがあり、膠原病や自己免疫疾患(自分の身体に対する抗体などを持ち、免疫の異常がその病因と考えられる疾患)の一つに分類されています。
病因・病態    
   皮膚筋炎・多発性筋炎は、数多くの研究が行われていますが、現在のところ未だその原因はわかっていません。しかし、免疫の異常(自己免疫 =自分の身体を細菌やウイルスなどから守る免疫のバランスがくずれて、健康人では通常認められない自分自身に対する抗体を持つ状態)、ウイルスなどの感染、悪性腫瘍、遺伝的要因などが考えられていますが、まだ、確定されていません。皮膚筋炎・多発性筋炎では、他の自己免疫疾患と合併すること、抗核抗体などの自己抗体を持つこと、副腎皮質ステロイド剤や免疫抑制薬などの免疫を抑制する薬で病状が改善することなどから、自己免疫疾患と考えられてきました。
     皮膚筋炎・多発性筋炎の病因は不明ですが、環境因子とともに遺伝的な要因も考えられてきました。人種により発症率が異なったり、遺伝的に決っている白血球の型 (Human Leukocyte Antigen:HLA)との研究から、皮膚筋炎・多発性筋炎と相関する HLAの型があることが報告されていますが、確定的なものはありません。
   
 

    しかし、近年の遺伝学の進歩により、この病気の発症に関連する遺伝子も研究されてきています。また、皮膚筋炎・多発性筋炎の兄弟間、親子間での発症の報告はありますが、一般的には家族内発症(遺伝関係)は稀と考えられています。
 疫学
    頻 度: 皮膚筋炎・多発性筋炎は比較的稀な疾患で、日本では、 1991年の全国疫学調査の結果では、推計受療患者数は、多発性筋炎 3,000名、皮膚筋炎 3,000名でした。年間発病率は人口 10万あたり 0.2−0.5人、有病率は人口 10万あたり約 6人(米国における調査では年間 100万あたり約 5〜10人、英国での調査では約 2.3人)と推定されています。有病率は年々増加傾向にあることが報告されていますが、これは治療法の進歩などにより、この病気で亡くなる患者さんが減少したこと、また、病気に対する知識・情報が高まってきたことにより、診断つきやすくなったことが関係していると思われます。
    男女比: 多発性筋炎も他の膠原病と同様に、女性の患者さんが多い傾向があります。男女比率が米国では 1:5、我が国では約 1:2とされています。しかし、小児例では男女差はほとんど認められません。また、病型により多少比率も異なります。
    発症年齢: 多発性筋炎は乳幼児から老人まで全ての年代にみられますが、その好発年齢は小児期 (5−14歳)に小さなピークと成人期 (35−64歳)に大きなピークを持つ2峰性の分布を示します。小児期では皮膚筋炎が、多発性筋炎より多く、成人期では逆に多発性筋炎がより多いとされています。また、人種については黒人が白人より発症率が高いという報告もありますが、日本人との明らかな差はありません。
     
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